社会福祉法人 子育ち・発達の里

社会的養育機関エール 里親を希望する方へ

社会的養護を必要とする子どもたち

社会には、保護者がいなかったり、様々な事情で保護者によって適切な養育を受けられない子どもがいます。
「社会的養護」とは、そんな子どもたちを社会全体で支える仕組みのことです。
「こどもの最善の利益のために」「社会全体で子どもを育む」という理念の元にチーム養育が行われています。

里親さんは、社会的養護を必要とする子どもたちに
安心できる居場所を提供する
大切な存在です。

里親の種類

  • 養育里親

    さまざまな事情があって家庭で生活できない子どもを、親が引き取れるまでの一定期間、養育する里親です。

  • 養子縁組里親

    将来にわたって、親が養育していく見込みがなく、養子縁組が望まれる子どもを、自分の養子とすることを前提に養育する里親です。

  • 専門里親

    養育里親のうち、「障害がある」「ひどい虐待により受診が必要なほどの精神的な課題を抱えてしまった」などの理由で専門的な支援が必要な子どもを養育します。
    専門的な研修に加え、「3年以上の里親養育経験」「乳児院、児童養護施設で3年以上従事した経験」「申請者のうち最低一人が養育に専念できること」などの要件があります。

  • 親族里親

    親が死亡したり、行方不明・拘禁・疾病による入院等の事情で子どもを養育できなくなった際に、祖父母や兄弟などの親族が認定を受けて養育する里親です。

里親になるには

里親になるためには特別な資格は必要ありませんが、以下の要件を満たして里親登録を行わなければなりません。

  • 心身ともに健全であること
  • 子どもの養育について深い理解と熱意を持ち、豊かな愛情を捧げること
  • 経済的に困窮していないこと
  • 里親認定のための研修を修了していること
  • 里親を希望する人及びその同居人が欠格事由に該当しないこと
欠格事由とは
  1. 1. 禁固以上の刑に処せられ、その執行が終わり、または執行を受けることがなくなるまでの者
  2. 2. 国民の福祉に関する法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなるまでの者
  3. 3. 児童虐待または被措置児童などに虐待を行った者、その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者

里親になるまでの流れ

  • 01 募集・要件確認
  • 02 面接・家庭訪問
  • 03 研修・実習
  • 04 里親申請・家庭調査
  • 05 審議
  • 06 認定・登録
  • 山梨県の委託を受けてエールが担当しています
  • 児童相談所が担当しています

里親になったら

エールでは、子どもの受け入れが決まった里親さんに対してマッチングの支援を行っています。
また、子どもを迎え入れた後は日々の関わりが大切になりますので、家庭訪問を行ったり、電話・メール・LINEで相談支援を行うことで里親家庭をサポートしています。
また、里親会【山梨県きずな会】との共催で研修や交流会を行うことで、里親さんの知識や技能の維持・向上を応援しています。

よくある質問

  • Q.

    実の子どもがいても里親になれますか?

    なれます。実子に里親になることを理解してもらってから迎えることが理想的です。

  • Q.

    子育て経験が無くても里親になれますか?

    なれます。里親に登録するための研修の中で、養育するための知識を学んでいただきます。また、里親登録後もスキルアップ研修や訪問・電話相談などで養育への不安や悩みに対するサポートを行っています。
    さらに、 里親会【山梨県きずな会】にご入会いただき先輩里親さんと交流することで、「里親」という同じ立場からの様々な相談が可能になります。

  • Q.

    共働きでも里親になれますか?

    なれます。保育所や放課後児童クラブの利用も可能です。
    子どもを迎え入れた後の生活イメージを持ち、生活や勤務スタイルについてお知らせいただくことで、適切なマッチングにつなげやすくなります。

  • Q.

    里親登録後は、すぐに子どもが委託されるのですか?また、委託される子どもについて希望を出すことはできますか?

    子どものための制度ですので、子どものニーズが最優先となります。子どものニーズに合わせて里親さんをマッチングするため、すぐに委託されるかどうかはわかりません。また「年齢」「性別」など、子どもについての希望を出すことはできますが、希望が多いほど条件に合う子どもが少なくなってしまう可能性があります。

  • Q.

    里親家庭だけで子育てをするのですか?

    里親養育は、里親さんだけでなくチームで行うものです。日々の養育はもちろん里親さんのご家庭で担っていただきますが、エールをはじめ様々な専門職スタッフが子どもの最善の利益のために支えます。
    ・困った時に一人で悩まない
    ・相談しよう(訪問・電話・面接・SNSなど)、参加しよう(里親交流会など)

先輩里親さんのお話

クリックで内容が表示されます

2022.12.13 「いいんじゃない」

絶対反対されると思いながらも、だんなに言った一言。「私、里親に興味があるんだけど…」

夫/「いいんじゃない、挑戦してみる?」
私/「えっ? 本当?」

この会話から夫婦の里親生活がスタートしました。

里親認定をいただいてから2人の子どもと縁があり、実子2名と計6人でにぎやかな生活が始まりました。
風呂に入れば泣き、姿が見えないと泣き、寝るときに泣き、思い通りにならないとにらみ、怒り…
私達もさすがに疲れ、何度もレスパイトを利用しました。
半年もたつと、家族内の空気もだんだん落ち着き、笑いの多い家族になっていました。

あれから6年。私達も子ども達も共に成長し、一緒にいることが当たり前の日常になっています。
生活していく上で必要な、実際に手をかける子育てから、今は本人の思いや得手・不得手・感情面の安定など、時間をかけてゆっくり向き合う子育てに比重が移ってきていると感じています。
どの年代の子育てにも、一人一人個性があり、それぞれに合った向き合い方が、そして「待つ」ということがとても大切です。私達にも忍耐力がついたと思います。
大変なこともあるけど、子どもといることでの喜びや楽しさは数えきれないほどたくさんあります。
フルで働きながらの生活は大変ですが、主人そして4人の子ども達に支えてもらいながら、充実した毎日を送ることができています。

「いいんじゃない」って背中を押してくれただんなさん、ありがとう。

里子さんが作った可愛い家族作品